Google
 

« 古事記の暗号解読と復元年代(まとめ) | メイン | 古事記自前の復元年代は、5倍暦で解読できる »

2009年6 月10日 (水)

日本書紀の「シンメトリック」の最高傑作を紹介する

パソコンで記事を読むのが習慣になっているが、すばらしい記事にめぐり合った。
筆者は数字を基に記紀解読を進めてきた。編者がある種の数字を重視し、技法としてシンメトリック(対称性)を用いたと考え、いろいろと考えを巡らしてきた。この記事を目にしシンメトリックを見たたとき、その発見に驚きあるいは先を越されたことへの嫉妬さえ感じた。そのような気持ちは、数字を追いかけている者にしか分からないであろう。日本書紀の数字に関する発見として、最高の傑作である。発見者に敬意を表したい。
考えられた方の正確な名前などが分からないので、関係個所全てを記載する。

ホームページの名称:「古代史研究メモ(日本書紀の実年代設定と世系の研究)」(2006年11月1日建設開始、by征東大将軍
該当記事:上記ホームページの「主張」の記事
記事の内容:
・日本書紀は、神代上、神代下、神武前紀7年、185、185、133/60/68/99/121、121/99/68/60/133、天武下14、持統11年
以上のような構成になっており、治世年間の配布の対称関係が存在する。
・185は37の倍数である(37×5)。133/60/68/99/121=481で、これも37の倍数である(37×13)。
(37×5)+(37×5)+(37×13)+(37×13)=(37×36)=1332=666×2
・133/60/68/99/121、121/99/68/60/133の対称関係は「16/YXRFBRM」氏の発見による。

筆者は、神武からスタートし、継体の所に入ろうとしていた。上記の「16/YXRFBRM」氏発見のシンメトリックは日本書紀の最後まで見なければ分からない対称関係であるが、多分最後まで進んだとしても容易には気付かないだろう。

上記の記事の中で述べられていること以外について、少し述べる。
添付した「表S-9  日本書紀記載在位の37倍数のシンメトリック」を見ていただくと、シンメトリックの重要性や「37」の倍数について分ってもらえると考える。

表S-9 日本書紀記載在位の37倍数のシンメトリック

481年のシンメトリックについて
前半の481年の始まりは孝霊元年(BC290年)で、終りは成務崩御後の空位年(191年)である。後半の481年の始まりは仲哀元年(192年)で、終りは天武天皇元年(672年)である。ポイントは成務崩御年と仲哀即位年の間に1年の空位年が存在するが、この年を前半の最終年として、シンメトリックの境にしていることである。空位年の位置付けが成務崩御年と関係することが明らかとなった。

「37」の倍数
二つ目は、編者が「37」という数字を重視していて、日本書紀全般に渡って、「37」の数字を特別な数字として位置づけていることである。
「37」の始まりは、天武天皇元年672年である。この年を基準年として、「37」の倍数の年を各天皇の年代と比較すると、次のような関係になっている。
神武即位年BC660年は、基準年から数えて、「37」の36倍、すなわち1332年目に相当する。[37×36=1332]
神武立太子年はBC697年は基準年から数えて「37」の37倍、すなわち1369年目に相当する。[37×37=1369]
その他にも、185年(「37」の5倍)、370年(「37」の10倍)、481(「37」の13倍)などの数字に該当する年代は重要な節目になっている。
百増の137も「37」の変形の一種と考える。
従って、「37」の倍数は、日本書紀の年代構成に深く関与していることが分かる。
最終的には、年代解読によって得られた復元年代にも何らかの影響を与えている可能性があると思われる。

三つ目は、天武14年と持統11年を加算すると、25年になるが、神武前紀の7年は東征開始の年代でこのままではシンメトリックとしては成立しない。しかし、ここに25年という数字が現れたということは面白いことである。解読により復元された神武誕生年(西暦前660年/西暦137年)から即位前年(西暦前636年/西暦161年)までの期間は25年である。神武即位前紀の解読に役立つと思われる。
注1)この記事は、ブログ「記紀の数字が語る古代史/田中真理志」(2008/10/01投稿)の記事である。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
https://www.typepad.com/services/trackback/6a0120a6b19efd970b0120a6b19f11970b

Listed below are links to weblogs that reference 日本書紀の「シンメトリック」の最高傑作を紹介する:

コメント

この記事へのコメントは終了しました。