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2009年6 月 7日 (日)

記紀(日本書紀と古事記)の最新の復元年代

記紀の復元年代は、新しい解読結果を順次積み上げてきた。
このブログにおいても、当初の復元年代に比べれば随分変わってきている。
ブログを読まれる方のために、最新の復元年代を知ってもらいたく、纏めてみた。
添付する「表3 記紀の復元モデルの比較」を見ていただきたい。変更があれば修正を加え、最新の情報としていく。

表3 記紀の復元モデルの比較

記紀の復元年代は基本的に一致している
日本書記の最新の復元は「修正日本書紀モデル」となっている。また、古事記モデルは「新説古事記復元モデル」に発展している。
修正日本書紀モデル」と「新説古事記復元モデル」とは、ほぼ同じ復元年代が得られている。
現在、古事記の復元年代「新説古事記復元モデル」が得られたことと、古事記の復元年代と日本書記の復元年代が基本的に一致したことにより、復元年代が正しいと自信を持つに至った。

崇神、仁徳、履中の3天皇の復元年代は、分注崩年干支の年代と一致
筆者が敢えては古事記の復元年代を「新説古事記復元モデル」と呼んでいるのは、日本書紀の復元年代と古事記の復元年代の間でほんの一部であるが(神武~雄略間で孝元崩御年と成務崩御年の2ヶ所)、年代が異なっているためである。
古事記には分注崩年干支の読み取り年代(通説)が存在するが、中国へ朝貢した年代と食い違いがあるため、疑問視されていた。しかし、それに替わる復元年代が明らかにされていない。筆者の記紀の復元年代はそれに代わるものである。なお、崇神、仁徳、履中の3天皇の復元年代は、分注崩年干支の年代と一致している。

古事記は、日本書紀の解読書(あるいは参考書)である

古事記が100年後にできたとすると、記紀の間に極めて類似した復元年代が得られていることを説明できない。古事記と日本書紀の復元年代の類似した関係を無視して、古事記の編纂過程を議論することには賛成できない。
また、筆者は「古事記は、日本書紀の解読書あるいは日本書記の講義に用いられた参考書である」との見解を持っている。実際に、古事記で得られた情報から日本書紀の復元年代が得られたことは事実であり、実感である。

特に、孝安崩御248年、孝霊即位249年は古事記による解読がなければ、女王卑弥呼・壹与にたどり着くことはなかった。同様に、応神即位381年、反正崩御439年も古事記から得られた情報に基づく成果である。

以下に最新の復元年代(2009/10/03現在)を示す。「表3 記紀の復元モデルの比較」と基本的に同じ内容である。修正が遅れた場合はご容赦を!

ニニギ降臨:ニニギ暦1年(西暦1年)(神武暦661年)
神武誕生:137年、1歳(古事記神武御年137歳より137年
神武立太子:151年、15歳
神武東征 : 155年、19歳
神武即位年:162年、26歳(ニニギ降臨の暗号「179万2470余歳」より、神武暦822年
神武崩御年:175年、在位14年
綏靖崩御年:181年、空位1年+在位5年
安寧崩御年:185年、在位4年
懿徳崩御年:195年、在位10年
孝昭即位年:196年、(女王卑弥呼擁立
孝昭崩御年:222年、在位27年
孝安崩御年:248年、在位26年(卑弥呼崩御)(古事記孝安御年123歳より)
孝霊即位年:249年、(女王台与擁立
孝霊崩御年:267年、在位19年
孝元崩御年:293年、在位26年
開化崩御年:301年、在位8年
崇神即位年:302年
崇神崩御年:318年、在位17年(崩御年は古事記の分注崩年干支に一致)
垂仁崩御年:337年、在位19年
景行崩御年:358年、在位21年
成務崩御年:371年、在位12+1年(古事記373年、在位15年
仲哀崩御年:380年、在位9年(古事記380年、在位7年
神功皇后:在位なし
応神即位年:381年
応神崩御年:403年、在位23年
応神崩御の空位年:404年
仁徳崩御年:427年、在位23年(崩御年は古事記の分注崩年干支に一致)
履中崩御年:432年、在位5年(崩御年は古事記の分注崩年干支に一致)
反正崩御年:439年、在位7年
允恭崩御年:459年、在位20年
安康崩御年:462年、在位3年
雄略崩御年:479年、在位17年
以下略

在位合計(空位を含む)
神武即位から開化崩御までの在位合計:140年
神武即位から崇神崩御までの在位合計:157年
神武即位から仲哀崩御までの在位合計:219年
神武即位から仁徳崩御までの在位合計:266年

注1)年代は、ニニギ暦(西暦)
注2)記紀の神武~雄略間で復元年代が一致しないのは、成務崩御年(仲哀の在位が関係)のみである。

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